二日目の日中
今日も昨日と同じように朝から晴れていた。この場所に来るのも二回目だ。朝早くからホテルの朝食を食べ、開園前に並び、走ってここに来ることが出来た。
そして、今、好きだとか、嫌いだとか、言えたらどんなに嬉しいだろう。
彼の表情はいつもよりも素直で、すっと身体に入って来る。
笑顔が目に広がる。紫桃くんはいつもより楽しんでいた。
「紫桃くん」
何? と言われた時、気付いた。私は久しぶりに彼の名を呼んだ気がする。
「あの」
「ああ、これ? そこで売ってたんだ。白見も飲むか?」
それはとても甘いオレンジ色の飲み物だ。もし、それを飲んだら、私はのどが焼けるだろう。それくらいの味だ。何故、それを知っているかはここに来る前に調べていたから。何事も知っていた方が楽しい。でも、彼の事までは調べられなかった。それを平気で飲む、紫桃くんは大の甘党だろう。
「私はそんなに、甘いの飲めないや。ほどほどなら平気なんだけど」
「そうか」
彼はそう言って、空を見ていた。景色は冬。新しい季節がやって来そうだった。
*
白見と久しぶりにちゃんと話した気がする。白見はずっと空を見ていた。何だか悲しそうだ。
もうすぐ、新しい季節が始まる。桜が咲いたら三年生だ。二年の時と変わらない生活がまた始まる。彼女はそれを思い出して、そんな顔をするのだろうか。何かあるなら言ってほしい。好き嫌いがまだ分からない。今も話して、彼女の気持ちを理解するまでに至っていない。それが何故か悲しくなった。
どうしてだろう、彼女はもう俺や空を見ていなかった。




