お土産選び
楽しく遊んだ後、ホテルに戻ったら、小腹が空いてしまった私は何か買おうと一人で部屋から出て、ホテルのお土産売り場の前を通った。そこに彼が一人で居るのを見つけ、そちらに向かった。
目が合った。
「あの、ごめんなさい、紺野はん、本当に、ごめんなさいっ」
あれから何回謝っただろう。
「ごめんなさい」
「良いって、良いって、気にしてないから。ホテルにコインランドリーあったし、それ使って元通り、ね?」
来た時と同じ服になっていた。それを見るとまた申し訳なく思い、言ってしまう。
「本当にあの……」
「失敗は誰にでもあるんだから、大事な時じゃなければ良いんだって」
紺野はんはそう言って許してくれた。寛大な人だ。
「それよりさ、白見さんは絵描くより、見る派だっけ?」
「うん。あの、紫桃くんとは一緒じゃないんだね」
「まあね、オレ、しとーとは好みが違うから」
「そう、なんだ……」
会話終了だ。
「白見さん」
「はい!」
紺野はんが私の顔を見て言う。
「あいつらにどんなお土産が良いと思う?」
「あいつら?」
「ほら、イラスト部の奴ら」
「ああ! えっと……」
そう言い合える仲間が居てずるいと思ってしまう。でも、これは私が今まで選択して来た結果だ。
「これ、かな?」
「うん、良いね! 喜ぶんじゃない? ああ見えて、お菓子に目がないから」
そう言って太陽みたいに笑う紺野はんが眩しかった。
こちらまで何故か温かくなる。釣られ笑いだったけど、私もしていた。
外から見たらほわんほわんしているだろう。今まで使ったことがない言葉だったけれど、きっと『ほわんほわん』という気持ちはこういうのを言うんだろうな、と勝手に思っていた。




