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彼女の様子
白見はあまり楽しくなさそうだ。何故だろう、訊いても答えてはくれない。それに何故、紺野は上だけ着替えているのか、分からない。
きっと何かがあったのは分かる。けれど、それだけで、釈然としない。
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紺野はんは部屋へ案内されるとすぐに着替えたようで、また会った時には違う服になっていた。
きっと明日着る服なのだろう……とても楽しい気分ではいられない。
「さて、今日も行けるんだから、張り切って行こう!」
一人だけわくわくしてる雰囲気が伝わって来る。
「あの、紺野はん」
彼は謝らせてくれないようで、さっさと行ってしまう。
「どうした?」
と紫桃くんに聞かれても答えられなかった。
「何でもないの。ただ、楽しそうだね、紺野はん」
そう言って彼の背中だけ見ていたら、くるっと彼が振り返って、早く、こちらに来い! と手だけで皆に合図していた。
「行こう、紫桃くん、アカネちゃん」
それだけ彼は行きたいのだろう、たくさんの初めてが待っていそうな気がするから。
*
遊んでいるうちに彼女は笑顔が増えていった。良かった。そう思ってしまう自分が少し笑えたが、彼女が笑顔になってるうちにと思い、また皆で集まって撮った。彼女の思い出に少しでも貢献しときたい。




