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出発の朝
ちゃんと居た。新幹線のホームに紺野と一緒に彼女は待っていた。途中で赤根が何か買いたい! と言って売店に居たから俺達は少し遅れた。だけど、彼女は怒ることもしないで赤根と笑いながら話をしている。まだ新幹線が来るには時間がある。
「じゃあ、記念に一枚、撮ろう」
ノリの良い紺野の提案で駅のホームに集合せし、四人のスマホに初の思い出が加わった瞬間、「良かったね」と紺野が笑って、白見が「うん」と言って笑っていた。
何なんだ? この雰囲気は。まるで、仲の良い……。
「どうしたの? 紫桃君」
それを言うのは赤根ではなく、白見にしてほしかった。
「もうすぐ新幹線来るんでしょ。ぼーっとしてないで、瑞穂ちゃんの隣に行って来なよ。それとも新幹線の席を隣にしようと企んでるの? そうはさせないよ! 四人が向き合う形にするからね!」
「じゃあ、オレはしとーの隣!」
「何でだよ!」
三月下旬の春休み、白見の笑う顔でほっとし、俺達はこれから始まる楽しい事をする為に新幹線に流れるように乗り込んだ。




