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知らない時間
少しだけ避けていたことをし始めた。
それは『新しい友達作り』だ。紫桃くんとは関係ない所で始めたけれど。
怒られることではない。
もし、見つかったら、堂々としていよう。
少しの勇気で違ってくるはずだから。
*
いつもの空き教室で、赤根と話していた。
「じゃあ、無料で出来る人が三人になったんだね、良かったね」
「うん!」
満面の笑みで答えている。
「誰、その三人目って」
白見の目は『あ、紫桃くん……』だったが、赤根は違った。
「紺野君!」
何で元気に、赤根が答える!
「白見は、それで良かったのか?」
「うん、家族を入れなければ三人目になるなって思って」
そこまで大事な事ではないのに、温かく、喜んでいる。
紺野とどういう話をしたとか聞かないから分からないが、とても良い時間を過ごしたんだろう、白見は。
確か、この空き教室の隣の教室はイラスト部の部室として使われている。
そこには紺野が居る。だが、今は昼休みだ。
この時間が終わるまでは旅行についての話をしよう。
そう思って、俺は口を開いた。




