さらに後日談
その日、部室に行くとニヤニヤ顔をした女子が計四人居た。
何でだろう? と思っているとリーダーが満面の笑みでこちらにやって来た。
「じゃーん、絵にしましたー!」
どん! と見せられたのは、お絵描きノート半ページを横に使って描かれた『紺野はん』のシチュエーションシーンだった。
「どういう状況よ!」
こちらがそう言わざるを得ない絵だった。電車の中で二人向き合って座って、あとは顔から腹までがモザイクがてらのモクモクかわいい形の白い雲で隠れているが、その雲の中に『ハンハン』という大きな黒い太い凛々しいペン字が書かれており、その字の周りには赤とピンクのかわいいハートがたくさん散りばめられていた。
「絶対、白見さんには見せませんからね!」
「えー、何でー」
「分かるでしょ、オレと白見さんが電車の中でハンハンって何だー! オレはこんな事してない!」
「でも、頭ポンポンはしたんでしょう。いや、ナデナデか」
「な!」
赤面効果が出てしまった。
「知ってるよ~、私の友達が見てて、絵、描いてくれたから~」
スマホで見せて来るとは!
オレは言葉を失った。
何とまあ、あろう事か、立った二人が電車の中でニヤニヤ感満載で、地球に居る全ての人に見られるようになっているー!
「良かったね! 美化されてるよ~」
手影絵め、どんな友達持ってんだよ! 同類かよ! やっぱり。
フォローしとくね、いいね、皆に知らせよう!
ちょっと待って、止めて! 紺野君はフォローしないの? するかっ!
とことん、泣きを見ないように生きましょう。そう悟らされた瞬間だった。




