表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
友達以上恋人未満ではないけれど  作者: 雲花エマ
変わる心
40/145

放課後の空き教室の前で

 紺野の協力を得た放課後、俺は空き教室に向かった。そうすれば会える気がしたから。

「あ、紫桃君」

 赤根だった。授業で分からない所でもあったのか、数冊のノートと学校指定のカバンを持って空き教室の前の廊下に立っていた。

「開いてないのか?」

「うん。瑞穂ちゃん、教室に居た?」

「いや、白見はいつも四、五番目には教室を出るから」

「早いんだね」

「ああ、俺よりも早い」

 数分の時が流れた。それでも白見は来ない。

「遅いねー、瑞穂ちゃんに頼まれて持って来たのだけど」

「何をだ?」

「ノート」

「どうして?」

 赤根と目が合った。

「なんか分からない所があるからって」

「科としては赤根の方が上だからな」

「そうだね、でも、瑞穂ちゃんのように真面目に授業に出てないからね。教えられるか不安だよ。それを補うことはしているけれど」

 赤根との話はこれくらいにした方が良い。話すことがなくなって来た。

「そういえば」

 赤根は本当に今、思い出したように言った。

「瑞穂ちゃんとどこか行くの? 紫桃君」

 思いもよらない言葉だった。

「あ、ああ……。でも、それは二人で、じゃなくて、お前も行くか?」

「え! 良いの!」

 目が輝くように喜んでいる。

「だけど、三人じゃない。俺のクラスの奴も一緒だ」

「それは瑞穂ちゃん知ってるの?」

「いや。今から言う。だから、来たんだ」

「そっか……。悩むね……。瑞穂ちゃんとだったら行きたいかも! って気持ちだったんだけど」

「じゃあ、行かないか?」

「ううん! 行くよ! あ、でも、親に聞いてみるよ!」

 白見と同じようで同じではない。少し顔がにやけている。赤根とは中学が同じなだけで、同じクラスになったことは一度もなかった。だけど、赤根の名前は知っていた。悪い意味で有名だったからだ。でも、それはこちらの都合だ。赤根は悪くなかった。だけど、周りの人間がそうするからそう扱うしかなかった。いや、少し悪い所があったか。好きでないものにはとことん鈍い。赤根と話すことが本当になくなってしまって、白見が来るまであまり上手くない吹奏楽部の音を聞いていた。

 白見はその後、五分くらいしてから小走りにやって来た。

「先生がいなくて遅くなっちゃった、ごめんね」

 いつもやっているように施錠を開ける。

 赤根が白見よりも先に空き教室に入り、俺も入ろうとした。その時、ガッと腕をきつく掴まれた。

「話があるの」

 それは予期せぬ事だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ