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修学旅行から帰って来て
修学旅行の話を白見にしないのは当然だった。
彼女が少しでも悲しい思いをしないようにするにはそれしかない。
でも彼女は聞きたそうにもするし、聞きたくないように顔を背けた。
どちらが正しいのか分からない。
ただ、赤根と笑っている。それだけがじんわりと来る空間だった。
*
紫桃くんは全然修学旅行の話をして来ない。
彼がもし、その話をしたら、私は黙って聞いていられるだろうか。今の私にはその自信がない。何かを言ってしまうだろう。もっと楽しい話を聞きたくなって、彼を困らせてしまうかもしれない。だから、嫌なことを忘れてアカネちゃんと話す。




