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約束
新校舎の下駄箱近くまで来た時、やっと白見に追い付いた。またあの時みたいに背中しか見えない。
「あの、白見」
「ごめんね、紫桃くんのこと、サイテーだと思っちゃった。私の方が最低だったのに」
彼女は顔を見せない。いじめのことは関係ないはずだ。
「こっちだと遠いだろ?」
「大丈夫、遠回りでも行けるから」
彼女の行く先はこことはまた別の新校舎だった。
「下駄箱、行くね」
歩き出す彼女に俺は言っていた。
「証明するよ!」
「え?」
彼女の顔が僅かだが、こちらを向いた。
「白見、前に言ってただろ? 『この努力は無に等しかった』って。だったら、俺がその努力は無じゃないって証明する」
彼女は何も言わなかった。
「だから、待っててほしい」
こんなことしか俺には出来ない。
どのくらい必要なのかなんて分からなかったけど、それしか言えなかった。




