表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
友達以上恋人未満ではないけれど  作者: 雲花エマ
うぬぼれ
32/145

嫌な日

 どきっとした。

「ねえ、しとー、良いでしょー」

 甘ったるい声で勝手に甘えて来る。これがツケなら、これもツケだったのだ。

 その様子を見れば誰だって勘違いする。

 両腕をその両手で掴まれ、ぶらぶらさせられながら今日の放課後の数合わせの為に一緒に遊びに行こうと高校一年生の時のクラスメイトのカノジョは言う。

 正直、彼女の足音だと知っていたら、その手を少しでも早く離させていただろう。


 *


 十二月初めの放課後、十六時半過ぎ、一階の旧校舎の廊下、私は見てはいけないものを見てしまった。

 ドキン! となった。

(紫桃くん!)

 止まってしまった。

 紫桃くんと知らない女子生徒がぶらぶらとしていたのを止め、こちらをがっと向いた。

 彼の困った顔より、その手が気になった。

 動きたかったのに、動けなかった。

 見続ける気はなかったのに、見てしまった。

 まるで本当のカレシとカノジョのようだった。

 じっとしてしまった為にカノジョに嫌な顔と声で責められた。

「何見てんの?」

 怖い。

 キュッという音をさせて来た道をすぐに引き返すしかなかった。


 *


 彼女は回れ右をして行ってしまった。

「ねえ、良いでしょう?」

 何事もなかったようにカノジョは言う。

「悪い、無理」

 俺は彼女を追うことにした。

 何を言われようと、追うしかなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ