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赤根留衣の立場
また白見がトイレに行ってしまった。精神的なものだろう。
赤根は言った。
「流れに乗っちゃうの?」
どきっとした。さもない言葉だったのに、痛い。
「そうだよね、流れに乗った方が楽だよね、私もそうするよ。紫桃君の立場なら」
でも、そうしないのは白見の立場だからだ。
「かわいそうだな……とか思ってないよね? 思ってたらとっくに終わらせてくれてるよね」
赤根の言葉はいつも突き刺さる。
「赤根、俺、言って来る」
「ほーい、いってらっしゃーい」
赤根に背中を押される日が来るとは思ってもみなかった。




