19/145
彼女の思い
休んでしまった、高校に入ってから幾度目のことだろう。明日、学校に行くのが気まずい。だが、母親はそれを望んでいるから、行く。夕食後の一家団らんは残っている。だから、話す。
「本当は行きたかったな……、海外」
「初めてだもんね」
「そうなんだけど、飛行機が苦手」
「瑞穂、修学旅行、海外だったのに良かったの?」
「お金が戻って来るから、それでどこか行こうかな、一人旅」
寂しい目をさせてしまった。親には小さい時から世話になっている。
最初はただの悩み相談から始まったものだが、今では友達のように話している。
特に母親は過保護になってしまった。
空き教室の件も、過保護な親が先生に頼んでくれたのだ。高校だけは卒業しなさい、それだけが両親達の願いだった。兄は普通に接してくれる。そんな兄から見たら、紫桃くんは普通だろう。普通に大学に通い、友達とも仲が良さそうだ。もし、私にもそんな人が居たら、楽しかっただろうか。
明日も元気に、家を出るまではそうしていよう。




