14/145
青い空を見て
ついつい、話してしまっていた。紫桃くんが普通に話をするから、こちらも普通になる。
アカネちゃんはまだ来てない。もしかしたら、今日は休みかもしれない。そう思った。
*
「知ってた? 紫桃くん、名前ってね、変えられるんだよ」
その話をする白見はずっと青い空を見ていた。俺とは違う理由で。
「でも、私ね、全てをひらがなにした名前の中に『ミミズ』やら、白見の名字の意味は『白い目で見る』なんていう低レベルな理由から始まったいじめを理由に変えたくないの。それだったら、名字の最後が『み』じゃない人と結婚したい。それでだって名前は変えられるから」
彼女はずっと動く雲を見ていた。
時の流れはゆっくりだけど、確実にやって来る現実に希望を見出していた。




