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友達以上恋人未満ではないけれど  作者: 雲花エマ
分からせる為に
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台風の日の学校

 九月下旬、これから台風が来るらしく、荒れた天気、どんよりジメジメと風が強い。灰色の厚い雲が気になるが、雨はまだ降ってはいない。そんなに詳しく天気予報を見ていなかったから、学校に行って、しばらくしたら休校になるのかな? と軽く考えていたのに、着いた頃には雨もひどくなり始めて、休校となる警報がずっと出ていたらしく、今朝の職員会議で休校になったようだ。そうとは知らず、俺と同じようにやって来てしまった生徒が数名、少なからずは居た。その中に白見も紺野もいなかった。しばらく、どうしようかと考えていたら、教室に担任がやって来て、帰ることとなった。帰り道も一人、ひどい雨の中を歩く。かなり強い風が吹いて、傘がすぐに壊れてしまった。 もうビショビショで親に車で迎えに来てと頼んでも、そんな格好で……と怒られるだろう。なら、自力で家に辿り着くしかない。歩いている中で思った、二人は賢明だ。ちゃんと天気予報を見て、担任がしたという連絡も知っているだろう。白見も紺野も電車だから、そこら辺はきちんとするだろう。俺はそれをしなかった。相談も何もしないで勝手に出て来た。ただ一人、教室にいると何もすることがなくて、ぼーっとした。その間、思ったのだ。人がいないということは、こうも静かで落ち着かないと。いつもワーワーやっていた時間、この時間もあと僅か。白見といられる時間もそれと同じ。俺はあの約束を守れているだろうか。努力が無駄じゃないと証明出来ているだろうか。近頃、白見よりも隣のクラスのあの女子を相手にしなくてはいけなかったから、白見と全然話せていない。その間に白見の気持ちは変わっていないだろうか。

 俺が不安になってどうする? と自分を奮い立たせてみても、何故かその不安が拭いきれなかった。人の気持ちは強いほど変わる。それが俺には分かるじゃないか。白見と向き合って、少しは変わったじゃないか。俺の中にある彼女を守りたいという気持ちは、今も生きているじゃないか。白見がもし、俺じゃない誰かを好きになっていたら、俺は邪魔かもしれない。それでも、彼女が『やめて』と言うまでは、彼女のそばにいたい。それが赤根にあの話を聞いてから考えた俺の答えだ。白見は今、何を思っているだろう。痛い雨が身体からだに当たる。

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