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友達以上恋人未満ではないけれど  作者: 雲花エマ
高三の二学期
101/145

 教室に着くと、彼女がもう居た。一学期から変わらない席でじっと本を読んでいる。何人か人が居たが、彼らは真面目な方の人間だから、白見に声を掛けても、どうこう言わないだろう。

 おはよう、とか、言っても良いじゃないか……と思えて来た。

 だから『おはよう』と言おうとしたのに、「よ!」と声を掛けられた。

 振り向けば同じクラスの奴で、その後ろに紺野が居た。珍しい、こんな朝早くから来るなんて。

「早いじゃん?」

 そんな言葉に紺野はちょっと困っていた。

「まあ、早く起きちゃったからね、バイトもしなくなったし、規則正しく生きれるようになった感じ?」

 やけに朝から話すようになったと少し感心した。

「良かったじゃん、それで、楽しかったか? 夏休み」

「あ、まあ……ぼちぼちと……」

 ちらっと白見の方を見た気がした。けど、気のせいだ。だって、紺野は白見のことをそんなに良く思ってないと思うし、白見もこちらを一切見ない。ずっと本だけを見ている。

 彼女の場所は、この教室の出入り口付近から奥、窓側の席の真ん中辺。一学期の終わりに何故か席替えをし、決まった席だった。

 もしかしたら、先生が二学期始めに席替えをするのが面倒だと思って、してしまった可能性もある。

「数か月はこのままかな?」

「は?」

 紺野と一緒に入って来たクラスメイトが答え、オレは慌てて言った。

「いや、席がね」

「何だよ、もう飽きちゃったの? この席良いじゃん。周り、大体女子よ?」

「まあ、でもさ、うるさいっていうか……」

 ぜいたくー……なんて言う言葉を聞きながら、もう一度白見を見た。そしたら、紺野が白見を見ているのに気が付いた。何でだろう? そう思って、聞こうと思ったが、「あっちー、やっぱ風ないわな」と言った紺野の言葉で窓を見ていたんだと思った。

「まだクーラー入れてないの? 入れろよな」

 そう言って、クラスメイトの男がクーラーの電源を入れる。開いてる窓閉めろーと誰かが言う。皆、そこは団結力が良い。けれど、彼女はじっと本を読んでいるだけだった。動かない。彼女は俺に気付いているだろうか。疑問だ。

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