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「何やら思い違いを致しておろう」
涼しい顔の新三郎が言う。
表情読まれた?
「朝駆けとは、戦の戦法じゃ」
「あらら、へ~。
で、何をすんの?」
「明日は山下町を焼き払うのじゃ」
「え!!
放火すんの?
なんで?」
「戦の邪魔になるからじゃろう。
うかうかしておらば、そこに敵が潜み居るやも知れぬからのう」
なるほど、趣旨は分かった。
軍勢の往来に邪魔なうえに敵がワナを仕掛けてるかも知れないからなのか。
でも、邪魔なら燃やせばいいんだ、という発想はちょっとね。
昼間の住吉の庄の強盗といい今回の作戦といい、今のところ、ぶっちゃけ住民の迷惑にしかなってない気がするんだが。
しかし、その住民も暴動を起こしてるワケだし・・・う~ん
要するに俺の結論は、どっちもどっちだろ~これ
「そうじゃ俊之介さ、火攻めの話は内密に願いますぞ。
ではワシはまだ役目があるゆえ、これにて失礼」
桶の水を鍋に移すと、微妙な顔の俺を残して新三郎は爽やかに去っていった。
まだ日のあるうちに夕飯を済ませてしまうと、後はもうやることもない。
日暮れを待って寝るだけだ。
柔らかそうな枯れ草を見つけて、早々にムシロを敷いてゴロンと横になった。
眠れるわけねーとか思いつつも目を閉じてみる。
しばらくすると、頭の横で足音がする。
くっそ~やっとウトウトしかけてたのに。
薄目を開けると、使番の六郎兵衛さんがのぞきこんでいた。
「此処に居ったか。
明日の役目を申し伝えるゆえ心して聞け。
お前たちは七つ刻をもって里へ下り、太鼓の音を聞かば家屋敷に火を掛けよ。
よいか、ゆめゆめ誤る事の無きよう致せ!」
「七つ刻って何時?」
「下らぬ事を申すな。
よいか、確かに伝えたぞ!」
六郎兵衛さんは勝手にヒートアップして帰っちゃうし。
だから七つ刻って何時だよ




