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大根小屋の背後は山へと通じていて、そこでは大掛かりな戦闘が出来そうもない。
これは俺みたいな素人でも分かる話だ。
正面の門の前は開けた平地なんだけど、そこには集落が在って邪魔っぽい。
街道筋や集落を見下ろすような場所には、何ヵ所か旗が立っていて人が屯してるから、あれが府中から集まった諸家の陣地なんだろう。
弥助さんは、そのひとつひとつを指差して、あれが島立の衆、これが深志の衆、なんていちいち説明してくれる。
なるほど大根小屋から攻め出してきても、ここまでたどり着く間にはフルボッコにされそうだ。
どうにか急造りの陣地が出来上がると、俺は炊き出し準備の水汲みに川辺へと下った。
相変わらず、火の番よりは肉体労働の方が得意なわけで。
「うぅ、重て」
今度は火の着け方を教わっとこう。
桶の水をタプタプさせながら坂を登ってると、後ろから枯れ草を踏む足音が聞こえてきた。
「夕げの支度か?
俊之介さ」
「おお、新三郎さ。
うん、炊き出しの水汲みね」
「さようか、苦労じゃの」
イケメン具足姿の新三郎は、片方の手伸ばし俺の桶を1個持ってくれた。
そのさりげなさもイケメンだ。
「ワシは物見から帰ったところじゃ」
「へえ、お疲れさん。
つかミスタ・・・殿は?」
「もう御着陣された。
明日は朝駆けじゃ」
「朝駆け?」
朝からジョギングとか日常すぎ
まあ健康は大切だけど、うん




