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急遽部下さん達に腹巻きって呼ばれる鎧を着けさせたり、武器を手の届く位置に積み直したりと、なんだかんだ忙しくしていると、左近が偵察から帰ってきた。
「俊之介殿、支度は宜しいか?」
「うん、一応ね」
「では参ろう。
村の中には、人っ子一人居りませぬゆえ」
「あいよ」
休んでいる人足さん達に出発を告げていると、他家の人足さん達も空気を読んで配置に着き始める。
左近の言うとおり、村の中は森閑として動く物の姿は無かった。
ゴーストタウンってヤツ。
それにしても、なんつーの?
村の中は酷く荒れている。
いや、荒らされたみたいだ。
戸板が外されたり、酷いものになると、壁に穴まで開けられている。
家の中まで丸見えだ。
まるで村ごと強盗にあったみたいなんだよね。
「酷いな、こりゃ」
「府中の軍勢が通ったのじゃろう」
「ここに住んでいた人達は?」
「とっくに逃げたか、或いは中塔の根小屋に篭っておるじゃろ」
隣で馬にまたがる左近が、俺の独り言に答えた。
別に何でも無いような顔つきだ。
戦争には暴行略奪は付き物なんだろうけど。
なんだろう、う~ん、少なくともいい気はしない。
と、左近がまた前方を指差した。
「そこまで行けば、もう襲われることも無かろう。
もうひと踏ん張りじゃ」
「そりゃ助かるわ~」
略奪暴行の被害に関しちゃあ、俺も人のことは言えないワケで。
いつ襲われるか知れないのは神経がキツい。
荷車から前に視線を移すと、柵に囲まれた集落が見える。




