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水さえ飲んじまえば当面やることはないな。
こうなると暇なもんだな、肉体労働は部下くんたちに任せっきりだから大して疲れてもいないし。
あ、そだ、ちょっと矢口さんとこ行ってこよ。
さっきのお礼もきちんと言いたいしね。
ええっと、矢口さんとこの荷車はっと、ああ、あれだ。
弥助さん居るかな?
俺は、弥助さんの怒り肩をキョロキョロと探した。
すると聞き覚えのあるダミ声が荷車の裏から聞こえてくる。
「良いか、此処から先は用心が肝要じゃ。
槍は直ぐに取り出せるようにし、腹巻きぐらいは巻いておけ」
「こんちわ~」
「ん?おお!
これは誰かと思うたら、古厩さまの陣夫頭か。
どうした、何ぞ困りごとか?」
「別に困ってませんけど、さっきは忙しくてロクにお礼も言ってなかったので」
「なんだ、そんなことか。
礼なぞいらん。
どうせ、いざとなったら助けあわにゃあ、荷は守れんでな」
「いざとなったら?」
「おおよ、こっから先ゃあ、いつ何時敵に狙われるか知れねえやな」
「荷駄ってそんなに襲われるモンなん?」
「さあな、だども用心するにしくは無かろうよ。
礼なんざいいから、早く戻って支度しな」
「へ~い」
お礼を言う間もなく追い返されちった。
なんか忙しそうだったな。
でもそっか、荷駄を警護してんのは左近と足軽20人だけだもんな。
もし本格的に襲われたりしたら、ひとたまりもないわ。
他人事じゃねーわこりゃ。




