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多くの人が集まり、石を敷き詰め御座を敷く。
荷車がスタックするたび、みんなでこれを繰り返した。
気が付くと林の向こうに広大な平地が姿を現した。
刈り入れの済んだ田んぼが黒々と広がっている。
どうやら難所は抜けたようだ。
「俊之介殿」
何時の間に来たのか、清水の左近が馬の上から俺を見おろしていた。
そういえばコイツって小荷駄方とか言ってたな。
荷駄の警戒も任務のうちなんか。
俺が振り向くと、左近は遥か前方を指で指し示す。
「あれが住吉の庄じゃ」
「へ~」
目をこらして見れば、黒く地面を剥き出した田んぼの先に、ポチポチと小屋が密集した集落が見える。
のんびり集落を眺めてる俺に向かって、左近が続けた。
「此処から先は、あるいは敵が出ずるやも知れぬ。
ソレガシが物見いたすゆえ、山を降りたら其処で待っていて下され」
「あい、おながいします」
「おお、心得た!」
正面に目を据えた左近が馬を進めると、槍をかついだ足軽20人ぐらいが続く。
なんかカッケーじゃん、左近のくせに。
山から降りた俺たちは、各家ごとにグループを作って荷車の点検を始めた。
「カシラ。
荷崩れも失われた荷も有りやせんぜ。
念のためにきつく縛り直しておきやしたが」
「ああ、ご苦労さん。
みんなに休むように言ってくれ」
「へえ、合点承知」
人足のあんちゃんから報告を受けた俺は、腰に吊るした瓢箪の詮を抜いて中の水を飲んだ。
周りのみんなも瓢箪や竹の水筒に口をつけて、ごくごくと喉を鳴らしている。




