4
試合時間を計る手段が無いことから、先に1点取った方が勝ちって事で。
さあ、始めよう!
新三郎がボールを軽く蹴って試合開始!
「ぬっうおおおおおおおおお!」
そのボールを拾った五郎兵衛が、強引なドリブルでゴールを目指し、土煙を巻き上げて爆走する。
チームプレーって理解できてる?
それでもあっという間にディフェンスを跳ね飛ばしてシュート!!
竹を四角く組んで作った簡易ゴールポストの前には十郎次が待ち構えている。
スピードが乗ったボールが突き刺すようにゴールに迫る。
あちゃあ!開始早々かよ!!
絶望して頭を抱える俺とは対照的に無言無表情の十郎次が地面を蹴った。
かじりつくように飛び掛かった十郎次は、抱え込むように体でボールを止めた。
「おお!」
「止めおった!」
「ナイス!」
十郎次は、どよめく周囲に目もくれず、無駄のない動きで小平太にボールを出す。
コイツほんとに素人なの?
サッカー歴10年の俺でも目を見張るくらい、流れるような動きだ。
ボールを受け取った小平太は、相手側コートに突入する。
お前もチームプレーって分かってる?
新三郎と左近、ディフェンスが小平太を包囲に動く。
ほら~やっぱり囲まれる
と、包囲が完成する瞬間、小平太は、俺の前方にボールをパス。
なんちゅーナイスな!
コレ狙ったのか!?
それともアレか、苦し紛れなの?
ボールに向かってダッシュしながらチラ見したら、小平太のどや顔が目に写る。
狙ってたんかい!!




