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門の前まで来ると、使番のオッサンが、門番のサムライに二言三言声をかけた。
するとすんなりオオネゴヤの敷地内に入ることができ、オッサンが先頭に立って坂を上り始める。
結構な急坂だ。
門を潜ると道の両側に段差があって、柵が道を見下す格好だ。
道の端には、結構な深さの側溝が掘ってあり、その底から段差の上に作られた柵を見上げたなら、3メートルくらいあるんじゃないだろうか 。
これがお堀ってヤツ?
珍しいから眺めてると、
「早よう来ぬか!」
また怒られた。
しばらく歩くと小さめな門に行く手を阻まれる。
が、ここでも使番のオッサンが何か話して通してもらう。
その門を抜けると広場があり、さらにその上の段には幾棟かの長屋が建てられていて、最上段には、周りの建物と明らかに異なる広い屋敷が一軒だけ建てられていた。
玄関に立った使番のオッサンは、中に声をかけて案内を請う。
出てきたサムライに連れられた俺は、そこで使番のオッサンと別れ、こじんまりとした部屋へ通された。
呼ばれるまで、ここで待ってろってことらしい。
部屋の中には先客の男がいて、こちらをじっと見ている。
日に焼けた四角い顔に鋭い眼光。
俺はなまじっか背が高いばかりに、どこへ行ってもじろじろ見られる。
それはもう慣れっこだ。
でも、この人はどっかで・・・
先客の男が、四角い顔に人懐っこい笑みを浮かべた。
「おう、これはこれは」
あ、もう少しでおもいだせるのにぃ!




