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「かように深き言葉とは、ワシには思いもよらなんだ。
小平太殿の言うとおり、俊之介さは知恵のあるお方じゃな」
え?俺ってば、早く走るための話しかしてないような・・・
おまいら、勝手に人の話をいじくってんじゃねーよ
なんで武士って人種は、こうも話を難しくするんだろ
ワケが分からな過ぎてボケッとしてる俺に、イケメンくん爽やかに笑いかけた。
「これはワシが誤りじゃった。
許されよ、俊之介さ」
許せったって、何がなんだか
「ふん、今日は不覚を取ったが、次からは、こうはゆかぬぞ。
じゃによって、ワシもしばし付き合おうてやろう」
五郎兵衛のヤツ・・・
良かった、単純で
つかおまい、話が分かってんの?
ヤベッ置いてかれてんのは俺だけか
マンドクセー
しやーねえ、話題変えよ
「あ、そだ!
みんな宿に寄ってよ。
ふみさんが、瓜を冷やして待ってるってさ!」
「おお、それは有り難い」
「では、遠慮のう呼ばれようぞ」
よし、流れは変わった
俺は心の中でガッツポーズした。
「おおい!
待て待て、その方ら!」
あ?また流れが変わっちゃう悪寒
俺はしぶしぶ声のする方に目を向けた。
なんだ?
あのオッサン?
田んぼの畔を抜けて、30半ばぐらいのサムライが、こっちに向かって走ってくる。
「あの走り方、悪い手本な」
誰にともなくいってみる。
ふふっとみんなの口から失笑が漏れた。
同時に矢口の新三郎が、ひそっとつぶやく。
「あれは使番役の六郎兵衛殿じゃな。
なんぞ出来したのであろうか?」
なにそれ、嫌な悪寒しかしませんが?




