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「ぜんたーい、止まれ!」
「ひいふうみいよ!」
ザッザッザッザッ
うん、やっと揃ってきたな。
見上げると、よく晴れた空に刷毛で描いたような白い雲が浮かんでいる。
小屋の裏手の空き地には、10人ほどの若いサムライ達が1列に並んでいた。
みんな俺とタメぐらいのヤツらだ。
小平太と始めたサッカー教室に、ここ数日で参加希望者が殺到したんだよね。
詐欺まがいを捕まえた話が、どう尾ひれが付いたのか、おかしな武勇伝になって広まってるらしいんだが。
ここは田舎はだからなぁ。
噂の伝わり方が早いんは、今も昔も変わらんね。
「今日はここまでにしよう。
お疲れ様っした。
みんな解散ね」
サッカー教室の始めと終わりには、必ず歩き方の練習をしてるんだ。
俺の声を合図にして縦列が解け、口々に雑談が始まる。
「ワシは初めて顔を出したが、なるほどさっかあとは、まことに面白きものじゃなあ」
「さよう、じゃがなあ、これでまことに強うなれるものかのう。
ワシには修練という気がせぬのじゃが」
「おーい!
手と足の動きに注意して!」
みんなの動きを観察しながら指摘してみる。
「右足と左手、左足と右手だよ!」
「あ、おお!
そうじゃった、しかし中々難きことよな」
「う、うむ、我らの知る武芸とは、手の舞わせ方足の踏み方、ことごとに異なるでな」
ふふ、みんな困惑してるみたいだな。
でもこれは、必要なことなんだ。
そもそも歩き方からして、どうも現代人とは違うっぽいんだからさ。
まあ、長い間の習慣でそうなったんだとしたら、それはそれなりに意味のあることかもだけど、それじゃあ、あんまり早くは走れないんだよな。




