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「ん?どした?」
「さっかあとは、面白きものだな」
「でそ」
「ワシは今まで、修練とは苦しき事の積み重ねじゃと思うてきた。
その先に見える光明をひたすら目指すことじゃとな。
じゃが、こんなやり方も有るんじゃな」
「サッカーだって辛い時はあるよ。
でも、基本楽しく無くちゃ続かないっしょ」
「なるほどのう、楽しめぬ事は続けるを得ず、か。
ヌシには教わる事ばかりじゃ」
「いや、俺の方こそ・・・」
教わってばっかりなのは俺の方だ。
俺とタメのくせして小平太のヤツは、自分の郷を自分の手で守ろうと決めている。
その為にはなんだってする。
俺のような底辺にだって頭を下げて教えを乞う男だ。
単純でストレートで・・・
一緒に居て気持ちの良いヤローだ。
ぜんぶ俺には無いものばかりだ。
俺の住んでた時代、俺は、困難な事から逃げてばかりいた。
時代や環境のせいにするつもりはない、俺自身が、そういう人間なんだ。
高3にもなって、そろそろ最終的な進路を決めなきゃいけないのに、俺は決めるのを先伸ばしにばかりしてた。
就職するのがイヤだった。
これで俺の一生が決まるのか、ってね。
だからって、勉強は嫌いだし大学なんていきたくない。
迷ってばかりで何一つ決められないでいるもんな。
来年になれば、芙美っちともお別れだろう。
でも、振られるのが嫌で、傷つくのが怖くて、気持ちを伝えることさえ出来やしない。
その挙げ句、現代社会そのものから逃げ出して、こんな時代に迷い混んだのか?
そんなの科学的じゃない、それは分かってる。
でも、そう思うと滑稽だ。




