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暑い、頭が痒い、もう我慢できない
額から流れ落ちる汗が、目に入ってヒリヒリする。
午前中の仕事が終わった時点で、俺はついにイライラが我慢できなくなってしまった。
なもんで、こっそり仕事を抜けて、小屋の脇を流れる小川に向かうことにした。
あ、もちろんトイレよりは上流ね。
下流には、ケツを拭いた板切れが岸辺に流れ着くからね。
ここに住んで辟易してるのは、俺の住んでいる小屋には風呂がないってこと。
それどころか、村ん中じゅう探しても同じことだった。
風呂嫌いにもほどがあるだろ
そう思ってたけど、自分が労働するようになって分かった。
風呂を沸かすってのは、中々の労働だったんだ。
水を溜めるのも一苦労、燃料の確保も一苦労、オマケに炊くのも一苦労。
なるほどねー。
だから、みんな風呂には入らないのか。
そもそも天使のふみちゃんですら、異臭が漂うレベルだし・・・
俺は服を川原に放り出し、ふんどし一丁でザブザブと川に踏み込んだ。
こりゃ気持ちいい。
流れに頭を突っ込んでごしごしと髪をしごく。
げん爺から、髷を結えって言われて伸ばし始めたけどタマンネ。
夢中で洗っていると、足元の流れに人影が映った。
ん?誰か来たんか?
「げん爺?
あ~悪りぃ悪りぃ、今戻るから」
振り返ると、見たくもない顔が仏頂顔で睨んでいる。
古厩の小平太だ。
「どうじゃ、さっかあを教える気になったか?」
「ダメ、無理。
つか又来たの?
ここんとこ毎日じゃん」
「まだ言うか!
ワシがこうして頼んでおるのに・・・」
いやいやいや
頼んでねーから、おまいは
「おまい、威張ってただけじゃん」
「それは・・・」
小平太が口ごもった。




