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古厩家の玄関を出て、来たときに通った径を逆にたどる。
昼の賑わいが引け始めた往来に出ようとすると、
ボンッ
「あたっ」
右の肩甲骨辺りに何かがぶつかってきた。
けっこうな衝撃だ。
痛たたた
と足元を振り返ってみると、まだ熟し切っていない桃の実が転がっている。
「ふん、足技使いも存外だらしないのう」
若い男の声だ。
顔をあげてみると、声の主は俺とタメぐらいの男だ。
背は低い。
顔がどことなく、あの兵衛って痔ヌシと似てるってことは親子なんだろ。
コイツがぶつけたのか?
まあ、そうなんだろうな。
この親子って、初めましてイコール暴力かよ。
チビのくせに。
暴力小僧は、こちらをじっと睨んでいる。
俺のリアクションを待ってんのか?
つきあってらんねー
俺は、暴力小僧に背を向けようとした。
「どうした臆したか、俊之介とやら」
あんだと、この
バカにしただろ、今
カチンと来たぞ、聞き取れなかったけど。
それでも顔や口調や雰囲気で、舐めきった空気は充分伝わってくるわ!!
俺が暴力小僧に向き直るやいなや、すかさずインテリ和尚が割って入った。
「これは若さま、お戯れが過ぎますぞ」
「和尚、ワシが用なのはヌシではない。
出過ぎたマネをいたすな!!」




