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痔持ちの兵衛が大きくうなずいた。
「うん、特に鼠穴の十郎殿が、いたく興をそそられた御様子でな。
是非にも会うてみたいと仰せじゃったわ」
「ほお、あの土屋の十郎さまが」
「じゃがなあ・・・」
ここで兵衛のオッサン、ちょっと顔をしかめた。
痔でも痛むんだろうか。
「今のままでは、とてもこヤツを小岩嶽へ連れて行くわけには参らぬ。
こうまで話が通じぬとは難儀なことよ」
「さようでございますな」
「ワシも、こヤツを此処で召し使おうと思うておったが、これではどうにもならぬ」
「それは、実にごもっともでございます」
「そこでじゃ、いま少し、げん助の手元に置いておこうと考えておるんじゃが、どうじゃろうのう」
「それは、まことにもって妙案にございますな」
「うん、ではげん助には、さよう申し伝えよ」
そうか、げん爺の本名はげん助ってのか。
他の話は、あまり良く分からんかったが、まあ、いいさ。
どうも話題は移っているようで、二人とも掛け軸を眺めて何か話してる。
とりあえず俺は、ぽけっと二人の話が終わるのをまった。
要するに面接結果は不合格ってことでいいんだろ?
ラッキー、ここで働いたら敗けだって思ってますから、キリッ
みたいなことを考えている間に、雑談が終わったっぽい。
和尚が何か挨拶して腰を浮かせた。




