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インテリくんに促されて目を向けてみれば、ここらじゃまあまあの御屋敷じゃないですか。
ただし、オオネゴヤとかではない。
オオネゴヤの下にある集落の中心だ。
掃除の行き届いた径を通って、開け放たれた玄関に立つ。
「御免!
兵衛さまは、いらっしゃるかな」
「へえ、どなたさまですかいの?」
インテリ和尚が一声かけると、声とともに足音が聞こえ、屋敷の角をまわって男が出てきた。
げん爺みたいなしわくちゃオヤジだ。
「おお!
これはこれは和尚さま、ようこそおみえになられました」
「うん、子細が有ってまいったのじゃ、今日は兵衛さまもいらっしゃるはずじゃが」
「へえ、殿は、今日は折よくいらっしゃいますだ。
今お伝えしますで、さあさあ中へ」
ずいぶん腰の低いオッサンでやんの。
まあどうせ、俺にじゃなくてインテリ和尚になんだろうけどさ、ふん!
インテリくんは、いかにもインテリらしく、勿体ぶったしぐさで草鞋を脱いでいる。
俺も痛む足から、ひーこら言いながら草鞋を外した。
「おや、怪我をなされたか?」
「ええ、まあね」
「ほう、これはこれは・・・」
オッサン、もの珍しそうに俺の足をじろじろ見てやがんの。
感じわるっ。
そこへインテリ和尚が口を開いた。
なんか余計なことを言われそう。
「ご覧のとおり、ひ弱でしてな」
「くっそ、やっぱ言いやんの」
「まあ、どんな暮らしぶりをしてきなさったか知らんが、幾度か爪でも剥がすうちには一丁前の足になるじゃろ」
そう言うとオッサンは、さあこちらへ、と先にたって歩きだした。




