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それからは、二人とも無言だった。
左足を引きずりながら歩くしかない俺には、その方が足元に集中できてありがたい。
空気読んでんじゃん
さすがインテリ。
から松林のトンネルを抜けると、目の前がぱぁっ明るく開けた。
辺りは一面の水田だ。
夏の強い陽射しを浴びた瑞々しい稲穂が、風の吹くたび青々としたさざ波みたいになびいている。
その向こう側にポチポチと密集した家屋が建ち並び、さらにその先には、小高い山の一角が切り開かれ、山肌を露出させていた。
近づくにつれ、段々畑のように削られた山肌には、幾つもの柵や小屋が建てられているのが見てとれる。
ふっと立ち止まった和尚は、一息ついて白く浮かんだ山肌を指さした。
「あれが小岩嶽の大根小屋、小岩の図書さまがお住まいじゃ」
「へぇ・・・」
俺の返事は、我ながら息を漏らしたようにしか聞こえなかった。
だって、なんて形容したらいいのか分かんないんだもの。
山肌を削って平らにならし、段をつけて小屋を建て、幾重にも柵を巡らす。
そりゃまあ大変な労力だとは思うけどさ、俺は、現代の建築物の方が見慣れてるからなぁ。
この程度じゃ驚かないんだよなぁ。
俺がポカンと眺めていると、横からご満悦なインテリ和尚の声が響いた。
「どうじゃ、壮観じゃろうが!
大根小屋もそうじゃが、これほど繁盛しとる山下町もそうそう有るまい!
さあ、行くぞい」
俺が畏れ入ったと思ったんだろ。
空気読めてねーぞ、インテリ




