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「つまらぬ事は考えるなよ。
よいか、お前が住まわせてもらっておる御屋敷はな、古厩さまの持ち分なのじゃ。
まあ、あの御屋敷を取り仕切っておるのは、古厩さまが中間者たるげん爺とその妻女、それから娘のおふみではあるがな」
あ~ぁ、また始まっちゃたよ
しゃーねぇ、付き合うか
「この里は古厩郷と言うて、北には古くから商人どもが往来する街道があって、代々古厩さまが治めておいでたのじゃ。
そこへ小岩の図書さまがお入りになって、天狗様の大岩のふもとに根小屋をお築きになるや、ここは商人らの宿場として益々繁盛するようになったんじゃ。
古厩さまは、小岩の図書さまが由緒正しきお方にて、才覚ひときわ優れたるをお認めになったゆえ、今は小岩さまに仕えておいでるのじゃ」
ダメだこりゃ
なに言ってるかワカンネ
とりあえず和尚が頭いいってことは、分かる
そういえば、父さんが教養のある人のことをインテリって呼んでたよな
和尚はインテリなんか?
インテリ和尚のヤツ、まだ得意げにしゃべくってやがる。
「じゃがのう、繁盛すれば、それはそれで頭の痛いこともあるもんじゃ。
この年来、怪しき輩がこの里に入り込むようになりおってな。
そこでげん爺が目を光らせておるわけじゃ」
「あ!」
「なんじゃ、どうした?」
少し歩いたら、から松林の間から山が目に迫って見えた。
見覚えのある山だ。




