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「よいかな。
何度も申すが、地頭さまの前に出たら、お前は何も言わんでいい。
ただただ頭を下げておれ。
申し上ぐべき事は、拙僧から申し上げるゆえな」
「地頭さまって?」
「先程も申したであろうが!
げん爺の申す地主さまのこと。
古厩兵衛さまは、この辺りの大地主じゃ!」
「大痔ヌシとか、ぱねえっす」
「余計なことは申すなと言うに!」
目のすわった和尚のコメカミには、青筋が浮いている。
話が通じなくてイライラしてんな、ま、お互いさまだけどさ。
今朝、起き抜けに和尚の凸食らって、それから今までレクチャーとかわけワカメ。
ナゾ言語の解析は時間がかかるから、半分以上分かんないし。
ようやく分かったことは、俺は黙って頭さげてりゃおけってことぐらい。
でも和尚の話の端々から、分かるワードを拾い集めて、自分が置かれてる情況がおぼろげに理解できたから、収穫が無かったわけでもないかな。
まあ簡単に言うと、俺は乳川の川っぷちで拾われたらしい。
まだ俺が生きてるってんで、お持ち帰りしてみたものの、扱いに困ってこの小屋に転がしといたんだとさ。
そんで、俺が暴れてるところへ運良くだか悪くだか、大痔ヌシとかいうぱねえヤツの見回りに出っ食わしたんだそうだ。
そこで仕方なくジジイと和尚が事情説明をしたところ、この大キレ痔が俺に興味を持って、和尚に俺を買い取りたいと交渉。
ジジイと和尚は相談の結果、俺を売っちゃったっと。
坊さんのクセに金に目が眩むとかサイアクだ。




