家庭教師
俺はあの後少し眠りにつき昼食前に父リドニアの仕事部屋である執務室へ向かう。
父の部屋のドアをノックし「父様 アレスです」と言いリドニアの「入りなさい」と言う声がしたのを確認し中へ入る。
中には仕事中のリドニアと仕事の手伝いをしている執事長をしているゲインがいた。
ちなみにゲインは先代の領主の時代からヴァルカン家で働きリドニアの家庭教師役でもあったとか。
父様が「どうした?アレス」と聞いてきたので「1つお願いがあって…」と言うと「なんだ?なんでも言ってみなさい 俺が叶えてやる」と言う。俺は勇気を出し「近くの森の入口付近でもいいので行っちゃダメですか?」と言うと案の定「うむ…さすがのアレスの頼みであってもそれは出来んなぁ」と険しい顔で言われる。するとゲインが「そうですよ、アレス坊っちゃま 近くの森と言うと真地の森の事でしょうけどあの森には魔物が沢山いるのですよ それに最近は入口付近でも魔物の数が多かったりもう少し中に入った所でしか生息しない魔物が見られたりと少し前より危険度が上がっているのです。」と俺に言う。
やっぱりダメかと諦めて「そうですよね…お仕事中お邪魔してしまい申し訳ありません」と頭を下げ部屋を出ようと扉へ向かう。すると父様が「ちょっと待ちなさい」と俺を呼び止める。「なんで森に行きたかったんだ?」と理由を聞かれ正直に「いや…その…魔物の素材が欲しくて…」と言うと「そうか…何が欲しいとかあるのか?」と聞かれ「雄のホーンラビットのツノとロングテールエイプの尻尾の骨を1つずつと中級の魔石1つ…」と言うと父様は少し考え込んで「いいだろう」と答え俺は目を輝かせながら「いいんですか?」と言うと「森に行くことは許可しないが用意する事はできる…しかし条件がある」と言われる。
俺が「条件ってなんですか?」と聞くとリドニアは「本当は6歳になったら家庭教師をと思っていたんだが少し早めて今週中に呼ぶとしよう。そしてその家庭教師から出された課題をクリアしたならご褒美として欲しいと言っていた2つの素材を渡そう。どうだ?この条件飲むか?」と言い俺は「飲みます!!」と即答する。
リドニアは「そうかよく言った…期待している」と笑顔で言い俺は「僕のわがままを聞いていただきありがとうございます」と頭を下げ「失礼します」と部屋を出る。
アレスが部屋を去った後 リドニアにゲインが「本当によろしかったんですか? 素材をどのように使用するのかを聞かなくても」とコーヒーを淹れながら聞く。
リドニアは「ガッハッハッ」と笑い「大丈夫だろ アレスは歳の割に賢いしそれに信用してるからな」と言いゲインは「そ、そうですか」と言いつつ(アレス坊っちゃまに対して信用してると言うより甘いんだよなぁ ご主人様は)と思った。
そして時が流れ家庭教師が来る日が来た。
部屋で瞑想し闘気を高めていると突然ノック音がし瞑想を辞め「はーい」と言うと「アレス坊っちゃま ご主人様が執務室にてお呼びです。」と言うゲインの声が聞こえ執務室へゲインと共に向かう。
執務室の扉をノックしリドニアが「入りなさい」と言い「失礼します」と中へ入る。すると中にはいつも通り椅子に座り仕事をしているリドニアと見知らぬ女性がいた。耳が長く物凄い魔力量をしている事からエルフと言う種族で間違いないだろう。
エルフの女性が俺にお辞儀をし「初めまして アレス殿 。私は エルフ族のエイリー・シェルールです。普段はスペロニア学園で魔法科の教師として働いていますが今は夏期休暇で学園は休園中ですので2週間程アレス殿の家庭教師としてこちらにお世話になります。どうぞよろしくお願い致します。」と言う。
「アレス・ヴァルカンです。こちらこそよろしくお願いします先生!」
「それでは今日から始めましょう」
「分かりました」
俺はリドニア父様に「失礼します」と一礼をしエイリー先生と一緒に自室へ向かう。
自室につき先生の説明を聞く。
「この2週間で学んで頂くのは座学、まぁ計算、歴史、地理などですね、そして魔法、剣術になります。座学の日と魔法、剣術の日に分け1日事に交互で学んでいきます。」
まぁ余裕だな!前世の知識もあるし、魔法も前世で鍛治する時に使ってたしな!だけど…剣術が問題だな。
転生してから武器を一度も持ってなかったから武神の加護があるとはいえ、上手くできるか少し不安ではあるんだよなぁ。
エイリー先生が手をパチンと叩き「今日は魔力色 について勉強しましょう」と言い水晶を何も無いところから取り出す。
何も無いところからいきなり空間魔法か?…いや収納魔法か!さすがは先生だな。
「魔力には色がありそれを魔力色と言います。普通魔法を初めて学ぶ人は魔力の色は青から始まりそこから時間をかけて魔力を練り 青、深青、緑、深緑、黄、深黄、橙、深橙、赤、深紅、桃、深桃、紫、深紫、灰、深灰、黒、深黒、白と魔力の色を上げていきます。そしてこれらの色の段階を十九段魔力色と言います。とはいえただ練ればいいという訳ではありません。色を上げるためには色壁と言うものがあり、魔力色を上げるために越えなければならない壁になります。その壁を越えるに必要なのは集中力と精神力です。まぁそこら辺に関しては追々やっていきましょう。」
エイリー先生が「ちなみに私の魔力色は深紫です。」と言い水晶に触れる。すると紫に水晶が光るのと同時にとんでもない魔力圧を放つ。
これは凄まじいな…とんでもない魔力圧に体が動かなくなるとは…さすがは魔法のエキスパートであるエルフ族と言ったところか…とんでもないのが俺の家庭教師になったもんだな…
だからといって臆しては居られない、少しでも学べるものは学んで鍛治の糧にさせて貰う!




