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異世界で最強になったので、世界の片隅でひっそり暮らします  作者: 南蛇井


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第31話 水路の異変 Scene1 村の水路


ある朝。


悠はリアと一緒に、村の農地を歩いていた。


昨日までと変わらない、穏やかな朝だった。


畑には作物が並び、農家の人たちがそれぞれの仕事をしている。


そんな中。


「……あれ?」


リアが足を止めた。


悠も、その視線の先を見る。


畑の間を流れている水路。


いつもなら静かに流れているはずの水が、途中で大きく跳ねていた。


よく見ると、水路の壁の一部が崩れている。


そこから水が外へ漏れ、土が濡れていた。


「壊れてるね」


「……うん」


その近くでは、ハンスがしゃがみ込んで水路を調べていた。


土を手に取って確認し、崩れた場所を眺める。


「こりゃ参ったな」


ハンスが小さく息を吐いた。


「今日中に直さねえと、畑が大変だ」


漏れた水は、そのまま畑とは別の方向へ流れている。


このままでは、必要な場所に水が届かない。


悠は水路を眺めた。


土を戻して、形を整えればいい。


そう考えたところで、ふと気づく。


これは、自分の畑ではない。


村の水路だった。


周りでは、ほかの村人たちも異変に気づき始めている。


「こっちも少し崩れてるぞ」


「石を持ってきたほうがいいな」


「土もいるだろ」


少しずつ、人が集まり始めていた。


悠はその様子を、黙って見ていた。


水路を直す。


それだけなら、たぶん簡単だ。


けれど。


今日は、いつものように自分一人で何でも済ませる話ではなさそうだった。


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