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異世界で最強になったので、世界の片隅でひっそり暮らします  作者: 南蛇井


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第二十六話 帰る場所 Scene1 祭りの帰り


祭りが終わる頃には、すっかり夜になっていた。


村の広場では、まだ片付けをしている人たちの姿が見える。


けれど、昼間の賑やかさはもうない。


悠とリアは、村を出て森へ続く道を歩いていた。


森の中へ入ると、さらに静かになる。


聞こえるのは、二人の足音と木々の葉が揺れる音。


昼間とは、まるで別の場所のようだった。


「楽しかったね」


リアが隣を歩きながら言う。


悠は少し考える。


「……疲れた」


「ふふ」


リアが笑う。


「やっぱり?」


「……うん」


今日は人が多かった。


知らない人もたくさんいた。


声も大きかった。


悠にとっては、それだけでかなり疲れる一日だった。


けれど――


途中で帰りたいとは思わなかった。


ミーナからパンをもらった。


ドルフが飲み物を置いてくれた。


リリとノアが走り回っていた。


村長も笑っていた。


そして、ずっとリアが隣にいた。


悠は歩きながら、今日のことを思い返す。


「……」


少しだけ、足を緩める。


「悠?」


リアが振り返る。


悠は村のあった方向を見る。


木々に遮られて、もう何も見えない。


しばらく黙ってから、悠は口を開いた。


「……でも」


リアは何も言わずに待つ。


「……悪くなかった」


「うん」


リアが嬉しそうに笑う。


「私もそう思う」


悠は再び歩き始める。


森の夜は静かだった。


やっぱり、この静けさは落ち着く。


けれど今日は――


村へ行ったことを、後悔していなかった。


悠は隣を歩くリアを見る。


「……」


何も言わず、そのまま歩く。


少し疲れた。


でも、悪くなかった。


それで十分だった。


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