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異世界で最強になったので、世界の片隅でひっそり暮らします  作者: 南蛇井


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Scene3 村からのお返し


野菜を渡し終えた悠は、これで終わりだと思っていた。


ところが。


「悠、これ持っていきな」


そう言って、ミーナが袋を差し出してきた。


「……?」


中を見る。


パンが入っていた。


「野菜のお礼だよ」


「……いいの?」


「もちろん」


さらに、別の村人が卵を持ってくる。


「これも使ってくれ」


「……卵」


その横から、今度は小さな袋。


「塩もあるぞ」


「……塩」


さらに瓶が一つ。


「こっちは蜂蜜」


「……」


最後に、きれいに折りたたまれた布まで渡された。


「これも、よかったら使ってくれ」


悠は両手いっぱいになった荷物を見る。


パン。


卵。


塩。


蜂蜜。


布。


「……」


どう見ても、野菜を渡しただけにしては多い。


悠は困ったようにリアを見る。


「……こんなにもらっていいの?」


リアは笑った。


「いいんじゃないかな」


村人も頷く。


「もちろん」


「野菜をもらったんだから、こっちも何か返さないとな」


「村なんて、そういうものだよ」


悠はもう一度、手元を見る。


今までは、必要なものは自分で作っていた。


食べ物も。


道具も。


家も。


だから、誰かから何かをもらうこと自体が、あまりなかった。


「……」


パンの袋を持ち直す。


ずっしりとした重さが、少しだけ不思議だった。


「……ありがとう」


「どういたしまして」


悠は小さく頭を下げた。


村人たちはそれぞれの仕事へ戻っていく。


悠はその背中を眺めた。


野菜を渡した。


代わりに、いろいろなものをもらった。


ただ、それだけのこと。


けれど――


今までとは少し違う。


村との間に、物のやり取りが生まれた。


悠はもらったパンを見ながら、静かに思った。


「……こういうのも、あるんだな」


森の小さな家で、一人で暮らしていた生活。


そこに少しずつ、村とのつながりが増えていく。


それは、思っていたより悪くなかった。


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