↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で最強になったので、世界の片隅でひっそり暮らします  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
60/123

Scene2 村へ持っていく

収穫した野菜を前に、悠は考えていた。


「……やっぱり多い」


籠いっぱいの野菜。


それだけではない。


畑には、まだ収穫できるものが残っている。


一人で食べるには、どう考えても多すぎた。


「村に持っていったら?」


リアが言った。


「……村?」


「うん。村なら、みんなで使えるよ」


悠は少し考える。


村。


人が多い。


できれば、あまり行きたくない。


けれど、このまま家に置いておいても食べきれない。


「……分かった」


悠は野菜を収納に入れる。


籠いっぱいだった野菜が、あっという間に消えた。


「相変わらず便利だね」


「……うん」


二人は村へ向かった。


村に着くと、悠は少し緊張した。


祭りの時ほど人は多くない。


それでも、道を歩けば村人とすれ違う。


「こんにちは」


「……こんにちは」


小さく頭を下げながら、リアの隣を歩く。


やがて広場に着く。


悠が収納から野菜を取り出すと――


「えっ?」


近くにいた村人が声を上げた。


次々と野菜が並んでいく。


「こんなに?」


「すごい量だな」


「これ、全部どうしたんだ?」


悠は少し身を固くした。


視線が集まる。


やっぱり苦手だ。


どう答えればいいのか分からない。


「……」


悠が黙っていると、リアがすぐに口を開いた。


「悠が森で育てたんです」


「森で?」


「うん。家の近くに畑を作ってて」


村人たちは驚いたように野菜を見る。


「こんなに立派なものが育つのか?」


「土がいいのかな」


「それにしても量がすごい」


悠は少し離れたところで、その会話を聞いていた。


自分の畑について話している。


けれど、自分から説明する必要はない。


リアが代わりに話してくれている。


それだけで、かなり楽だった。


「悠、これ、村で使ってもいいんだよね?」


リアが振り返る。


「……うん」


「じゃあ、ありがたく使わせてもらいます」


村人たちから、次々と声が上がる。


「助かるよ」


「ありがとうな」


「こんなにあるなら、しばらく使えそうだ」


悠は少し戸惑いながらも、頷いた。


「……どういたしまして」


その言葉を口にしてから、悠は野菜を見る。


自分一人で食べるために作った畑だった。


それが今は、村の人たちのところへ渡っている。


少し不思議な感じがした。


けれど――


悪い気はしなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。