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異世界で最強になったので、世界の片隅でひっそり暮らします  作者: 南蛇井


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Scene2 料理

雨は、まだ降り続いていた。


外へ出る気にもならず、二人は家の中で過ごしている。


しばらくして、悠が台所へ向かった。


「……何か作る?」


「うん。せっかくだし、一緒に作ろうよ」


「……一緒に?」


「うん」


リアはそう言うと、台所に置いてある野菜を手に取った。


「じゃあ、私これ切るね」


「……分かった」


リアはまな板を出して、野菜を切り始める。


トントン、と小さな音が家の中に響いた。


悠はその隣で鍋を用意する。


火をつけると、鍋の底がゆっくりと温まっていく。


「悠、これくらいの大きさでいい?」


「……うん。大丈夫」


「じゃあ、こっちも切っちゃうね」


「……お願い」


リアが野菜を切る。


悠が火加減を調整する。


普段なら全部一人でやっていたことだった。


野菜を洗うのも、切るのも、火を使うのも。


全部、自分でやる。


それが当たり前だった。


けれど今日は違う。


「悠、これ入れていい?」


「……うん」


リアが切った野菜を鍋に入れる。


じゅっ、と音がした。


「おお……いい匂い」


「……そうだね」


悠は鍋をかき混ぜながら、ふと隣を見る。


リアは次の野菜を切っている。


その姿を見ていると、不思議な感じがした。


誰かと一緒に料理をする。


それだけのことなのに、いつもと少し違う。


「一緒に作ると早いね」


リアが言う。


悠は鍋を見ながら答えた。


「……そうだね」


実際、一人でやるより早い。


それに――


少しだけ、楽だった。


誰かと一緒に家事をする。


悠にとっては、今までほとんどなかった経験だった。


けれど、嫌ではなかった。


むしろ、思っていたより自然だった。


雨音を聞きながら、二人で料理を続ける。


その横では、ノアが二人の様子をじっと見ていた。


「きゅ?」


「……お前は食べるだけでしょ」


「きゅ!」


「ふふっ」


リアが笑う。


悠も、ほんの少しだけ口元を緩めた。

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