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異世界で最強になったので、世界の片隅でひっそり暮らします  作者: 南蛇井


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Scene2 魚を捕る

Scene2 魚を捕る


 水草をいくつか採ったあと。


 二人は川の中を泳ぐ魚を眺めていた。


「結構いるね」


「……うん」


 魚たちは悠たちの足元をすいすいと泳いでいる。


 リアが手を伸ばそうとする。


 けれど、魚はすぐに逃げてしまった。


「あっ」


「……」


 悠は魚を見る。


 普通に捕まえようとすれば、少し難しそうだった。


 けれど。


 悠には魔法がある。


「……」


 悠が川へ手を向ける。


 すると、水がゆっくりと動き始めた。


 魚が泳いでいる場所だけ、水の流れが変わる。


 魚がふわりと浮き上がり、そのまま悠の手元へ寄ってくる。


「……はい」


 悠は魚を籠へ入れた。


 続けて、もう一匹。


 さらにもう一匹。


 あっという間に数匹の魚が籠に入った。


「……え?」


 リアが固まっていた。


「……?」


 悠はリアを見る。


「どうしたの?」


「どうやって?」


「……魔法」


「……」


 リアは川と籠の中の魚を交互に見る。


「魔法って……こんなこともできるの?」


「……できるよ」


 悠は何でもないことのように答えた。


 リアはしばらく黙っていた。


 そして、少し困ったように笑う。


「便利だね……」


「……うん」


 悠は頷く。


 本当に便利だと思う。


 魚を追いかけなくていい。


 濡れなくてもいい。


 疲れない。


 だから、普通に魔法を使っただけだった。


 リアはそんな悠を見ながら、小さく息を吐いた。


「悠って、やっぱりすごいね」


「……そう?」


「うん」


「……便利だから使っただけだけど」


「それがすごいんだよ」


「……?」


 悠には、いまいち意味が分からなかった。


 ただ。


 今日の夕食が一品増えた。


 それだけのことだった。

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