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異世界で最強になったので、世界の片隅でひっそり暮らします  作者: 南蛇井


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第二十一話 川へ Scene1 リアと川へ

翌日。


 朝の畑仕事を終えた悠は、家の前で道具を片付けていた。


 そこへ、リアがやってくる。


「悠」


「……ん?」


「今日は川に行こうと思ってるんだけど、一緒に来ない?」


「……川?」


「うん」


 リアは持っていた籠を見せた。


「水草を採りたいの。それと、魚も少し」


「……魚」


「食べる用ね」


「……分かった」


 悠は少し考えてから頷いた。


 森の中には川がある。


 普段は水を汲むくらいで、あまり近くまで行くことはなかった。


 たまにはいいかもしれない。


 悠は小さな籠を用意する。


「準備できた?」


「……うん」


 二人は並んで歩き始めた。


 森の中を進んでいく。


 木々の間から、少しずつ水の音が大きくなっていく。


「聞こえてきたね」


「……うん」


 しばらく歩くと、木々の向こうに川が見えてきた。


 透明な水が、日の光を反射しながら流れている。


 川岸には水草が生えている。


 水の中を小さな魚が泳いでいるのも見えた。


「ここなら採れそう」


 リアが籠を下ろす。


「水草を集めてくるね」


「……分かった」


 悠も川辺へ近づく。


 水は透き通っていた。


 魚が何匹も泳いでいる。


「……結構いる」


「うん。今日は少しだけもらおう」


 リアが水草を採り始める。


 悠も川を眺める。


 森とはまた違う音がする。


 水の流れる音。


 鳥の声。


 風で揺れる木々。


 いつもの森にあるものなのに、川辺に来るだけで少し違って感じた。


「悠、魚いる?」


「……いる」


「じゃあ、少し捕まえようか」


「……うん」


 二人は川辺に並んだ。


 水草と魚。


 今日の目的は、それだけだった。


 特別なことはない。


 ただ、いつもの生活から少しだけ場所を変えて。


 二人で川へ来ただけだった。

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