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異世界で最強になったので、世界の片隅でひっそり暮らします  作者: 南蛇井


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Scene2 ノアと遊ぶ

リリはしばらく悠を見ていた。


 けれど。


 ふと、その足元を小さな影が横切った。


「……?」


 リリが振り返る。


 そこにいたのはノアだった。


「きゅ?」


 ノアもリリを見る。


 二人はしばらく見つめ合った。


「……」


「……」


 先に動いたのはリリだった。


「かわいい!」


 リリがしゃがみ込む。


 ノアは少しだけ後ずさった。


「きゅ!」


「待って!」


 リリが手を伸ばす。


 ノアはくるりと向きを変えて走り出した。


「きゅー!」


「待ってよー!」


 リリも追いかける。


 小さな足音が森に響く。


 ノアは楽しそうに走り回り、リリはその後を一生懸命追いかける。


「きゅ! きゅー!」


「速いよ!」


 木の間を抜けて、今度は悠たちの周りをぐるぐる回る。


 悠はその様子を黙って見ていた。


「……」


 リアも楽しそうに眺めている。


「楽しそうだね」


「……うん」


 悠は小さく頷いた。


 ノアはいつも一人で遊んでいる。


 悠が畑仕事をしている間も、勝手に走り回っているだけだった。


 けれど今日は。


 一緒に走ってくれる相手がいる。


「きゅー!」


「待ってー!」


 ノアとリリがまた遠くへ走っていく。


 悠はその背中を眺めた。


 うるさい。


 少しだけ騒がしい。


 でも。


「……」


 不思議と嫌ではなかった。


 リアが隣にいて。


 リリがノアと遊んでいる。


 森の中に、人の声が響いている。


 悠はそれをしばらく眺めていた。

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