Scene2 悠が発見
ものように森を歩いていた。
今日は薬草を探すつもりだった。
必要なものをいくつか集めたら、そのまま家へ帰る。
いつもと変わらない。
そう思っていた。
しばらく歩いていると。
「……?」
少し先に、人影が見えた。
木々の間。
地面に誰かが座っている。
悠は足を止めた。
見覚えのある姿だった。
「……リア?」
少女が顔を上げる。
「悠……」
声を聞いて、悠はすぐにリアだと分かった。
いつもと少し様子が違う。
地面に座ったまま、立とうとしていない。
「どうしたの?」
「ちょっと転んじゃって」
「……」
悠はリアの足元を見る。
薬草の入った籠が横に置かれている。
どうやら採取の途中で転んだらしい。
「……痛い?」
「うん。ちょっとだけ」
リアはそう言って笑おうとした。
けれど、立ち上がろうとすると顔をしかめる。
「……」
悠は黙った。
そして。
リアのほうへ近づいていく。
一歩。
また一歩。
いつもなら、人に近づくことには少し抵抗がある。
でも。
今はそんなことを考えていなかった。
「……見せて」
「え?」
「……足」
悠はリアの前でしゃがみ込んだ。
リアは少し驚いたように悠を見る。
それから。
「……うん」
小さく頷いた。
森の中に、二人だけの静かな時間が流れる。
悠はリアの足を確認した。
どうやら、大きな怪我ではなさそうだった。
それでも。
このまま歩かせるのは、少し心配だった。




