↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で最強になったので、世界の片隅でひっそり暮らします  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
132/135

第59話 バーベキュー Scene1 夕方

夕方。


少しずつ日が傾き始めていた。


昼間よりも暑さが和らぎ、川辺を吹く風が気持ちいい。


「そろそろ焼くか」


ハンスがそう言って、川辺に用意していた薪に火をつける。


ぱちぱちと音を立てて、炎が上がった。


その上に網を置く。


そして。


肉を並べていく。


じゅう。


肉から脂が落ちる。


香ばしい匂いが、川辺に広がった。


「いい匂い!」


子供たちが集まってくる。


「まだだぞ。焼けるまで待て」


ハンスが笑いながら言う。


悠は少し離れたところから、その様子を見ていた。


昼からずっと川辺にいる。


水に入ったり。


子供たちと少し遊んだり。


果物を食べたり。


それだけなのに。


時間が経つのは早かった。


「悠」


ハンスが声をかける。


「……?」


「これ、食べてみろ」


焼き上がった肉を差し出された。


悠は少し驚いて。


「……ありがとう」


受け取る。


焼きたての肉から、まだ湯気が上がっている。


一口。


「……」


柔らかい。


香ばしい。


昼に食べたものとは、また違う美味しさだった。


「……おいしい」


悠がそう言うと。


「だろ?」


ハンスが笑う。


周りの村人たちも笑った。


「悠、ちゃんと食べてるか?」


「肉はまだあるぞ」


「……うん」


悠は少しだけ頷いた。


その横で。


「きゅ……」


ノアがじっと肉を見ていた。


目が肉から離れない。


悠は気づく。


「……」


ノアを見る。


ノアは肉を見る。


悠を見る。


また肉を見る。


「……お前はさっき食べただろ」


「きゅ」


即答だった。


まるで。


「それはそれ」


と言っているようだった。


「……」


悠はため息をつく。


けれど。


その様子がおかしくて。


少しだけ笑った。


「きゅ!」


ノアはまだ肉を見ている。


「……一つだけな」


悠がそう言うと。


「きゅー!」


ノアが嬉しそうに鳴いた。


川の音。


薪が爆ぜる音。


肉の焼ける匂い。


村人たちの笑い声。


夕暮れの川辺は。


昼とはまた違う、穏やかな時間になっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。