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異世界で最強になったので、世界の片隅でひっそり暮らします  作者: 南蛇井


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Scene2 端っこ

### Scene2 端っこ


悠は、広場の端に座ったまま踊りを見ていた。


音楽が流れている。


村人たちが輪になって踊っている。


笑い声が聞こえる。


子供たちも、その周りを走り回っている。


「……」


悠は少しだけ眉を寄せた。


やっぱり、騒がしい。


人も多い。


声も大きい。


いつもの静かな森とは、まるで違う。


「……騒がしい」


小さく呟く。


けれど。


そのまま帰ろうとは思わなかった。


悠は、もう一度広場を見る。


村人たちは笑っている。


誰かが踊りを間違えると、周りから笑い声が起こる。


それにつられて、また別の誰かが笑う。


少し離れたところでは、子供たちが音楽に合わせて適当に飛び跳ねていた。


そして。


その輪の中に、リアがいる。


楽しそうに笑いながら、村人たちと一緒に踊っている。


「……」


悠は黙って見ていた。


いつの間にか。


さっきまで気になっていた音が、少しだけ気にならなくなっている。


騒がしい。


それは変わらない。


人が多いのも変わらない。


けれど。


嫌なものばかりでもない。


笑い声。


音楽。


楽しそうな村人たち。


そして、リア。


それを少し離れたところから見ている。


自分は踊らなくてもいい。


話さなくてもいい。


ただ、ここにいて。


見ているだけでいい。


それなら。


「……」


悠は、膝に肘をつきながら広場を眺めた。


しばらくして。


ほんの少しだけ、口元が緩む。


「……こういうのも、いいな」


誰に聞かせるでもなく。


小さな声だった。


音楽に紛れて、誰にも届かない。


それでも。


悠にとっては、それで十分だった。


広場の中央では、祭りが続いている。


その端っこで。


悠もまた、静かにその時間を過ごしていた。


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