表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/13

8.



「はぁ〜、お腹いっぱい。全部美味しかったあ。今日はありがとう」

結局二人で他愛ない話をしながらあれこれ食べて、私は気持ちをこぼしてしまうこともなく、無事食事を終えた。

夕食は食べられないかも。


「いい食べっぷりだったな。最後のダンスまで残れなくて悪い」

「ダンスは恥ずかしいからいいよ」

「城の舞踏会と違って好きに踊れるから楽しいのに」

「……一緒に踊ってくれるなら考える」

「じゃあ、来年こそは」

「さらに忙しくなってそー」

クスクス笑うと、シグルド殿下は険しい顔をしていた。

「現実になりそうだから、言わないでくれ」

「そうだね、ごめんなさい」

「よろしい」


魔力の問題が解決したシグルド殿下は、王太子の責務を果たすのに忙しい。そんな中、貴重な時間を私のために使ってくれることが嬉しかった。


「はぐれないように手を繋ごう」

「は、はいっ」


なんかもう卑怯だよ、シグルド殿下……。

私の心、鷲掴み。



「わたくしは許さなくてよ」

「え、あの……」


どちら様……?

許さないっていったいなんだろう。


「貴女にシグルド殿下は渡しません!」

「シグルド殿下は誰のものでもないと思うのですが……」

「と、とにかく! わたくしはフィズア公爵家のリアナ! もう貴女の好きにはさせないわ! 見てなさい!」


そう言って昼下がりの王城の廊下をヒールで走り去っていく長い金髪とピンクのドレス。


面倒臭いことには巻き込まれたくないんだけどなあ。




最近は夜寝る前にも少しだけシグルド殿下との時間がある。その日あったことを報告しあっている。


「リアナか。婚約の申し込みも王家側から正式に断っているんだが。諦めるつもりがないみたいで私も困っているんだ」

「え、思ってたよりやばい感じだね……」

「カスミも気をつけてくれ。そうだな、護衛騎士をつけよう。前から考えていたんだけど、いい機会だしな」

「護衛騎士……大ごと……」


人選を悩みはじめたシグルド殿下の横で、私はのんびりちょっと渋いお茶を啜った。

最近ハマっているお茶で、こちらの世界では一般的らしいんだけど、例えようのない味だったりして。

デトックス効果があるらしいので愛飲している。


「カスミはもうなくてはならない人だ。それを自覚してくれ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ