7.
「今日は待ちに待った収穫祭ー!」
「美味しいものいっぱいですにゃー。最後みんなで踊るのも盛り上がりますにゃ!」
「広場は人でいっぱいだね」
「にゃん!国民が王都に集まりますにゃ!」
シグルド殿下と二時間ほど街に出られる予定で、今日を楽しみにしていた。
「準備は出来たか?」
「うん。いつでも出られるよ!」
「では行こう」
「沢山食べよう!」
部屋の扉を開けたままはしゃいでいたら、シグルド殿下が笑みを浮かべて立っていた。
歩きやすいようにいつもより短い丈の濃い紫のワンピース着て、準備万端!
シグルド殿下もいつもよりラフな格好でお忍び感がある。
……心の中でデートだと思っててもいいかな?
◇
「どうしよう、目移りする。全部美味しそうだけど、流石に全部は食べれない!」
「シェアして食べよう。言えば対応してもらえる。どれから食べる?」
「じゃあ、まずはお芋かな! 新鮮な野菜の串も気になるし、あとでソーセージも食べたいし、魚介類も見逃せないし、スイーツも外せないし」
「まあ、順番に攻めよう。買ってくるから向こうのテーブルで待ってて」
「うん!」
大きなテントの下に並べられたテーブルから空いてる席を見つけて座る。
お腹は空かせて来ましたよ!
「ねえ、君、一人?」
「いえ、一緒に来てる人がいます」
「女の子? 俺達と遊ぼうよ!」
「男性ですよ。遊べません」
「えー! 可愛いのに残念! またね」
またなんてありません!
声をかけてきた男性二人に急上昇していたテンションがちょっと下がる。
「カスミ! 大丈夫か?」
すると、遠くの方からシグルド殿下の声がする。
「シグルド殿下……」
名前を呼ぶだけでほっとする。
そのことに気がついて、両手で頬を覆った。
……ダメだこれ。やっぱり好き。
トレイいっぱいに料理をのせたシグルド殿下が近付いてくる。
私は大きく手を振ってから到着を待つ。
早く来て欲しいけど、気を抜いたらぽろっと気持ちをこぼしてしまいそうな気がして、どうにも落ち着かなかった。




