会議
ここら辺から展開が転がって行きます。
ろーりん……ろーり……いえ、何でもないです。
「第一回水野家緊急会議を始める」
ルルリエの思わぬ実力を知った蒼太たちは公園に出来た穴を奇跡の乱用で埋めると急ぎ家に戻り緊急会議を開いていた。
事実確認と安全の確保のためだ。
「まずはもう一度詳しくそっちの世界の事を教えてくれ」
「分かったのだわ。でも何処からどう話したものか……私のいた世界はお父様が滅ぼしたのだわ」
「滅ぼした……? そのお父様ってのは魔王かなんかか……?」
世界を滅ぼす存在など次元が違いすぎて想像もできない。
それこそゲームのラスボスのような非現実の存在である。
「お父様は人間なのだわ。だけど神様に願ってしまったのだわ。人類の抹消を」
「な、何でそんなことを……」
余程人類に恨みがあったのかとも思ったがルルリエは首を振った。
「それは解らないのだわ。話したがらなかったから」
「そっか……神様に願ったって言ってたけど、そっちの世界では神様って実在してたの?」
「いえ、いないのだわ。でもお父様は何時も言っていたのだわ。『神様は何時もルルの心の中にいる』って」
「曖昧だな……」
それはこちらの世界でもよく言う子供の答えようのない質問を回避するときに使う文句だ。
しかし向こうの世界に神がいるにしてもいないにしてもそんなことを願うなんてきっと何か深い理由があるのだろう。
そうなるまでの過程が知りたかったが関係者が知らない以上しかたがない。
蒼太は目線で続きを促す。
「あ、でも一つだけ確かなことがあるのだわ。人類のお父様は本意ではなかったのだわ。だって本棚にはもとの世界の本がたくさんあったし、私やみーちゃんみたいに新しく人類を造ろうとしたのだもの!」
「新しい人類……ね」
霧子の訝しげな呟きに蒼太はなにも言えなかった。
人類にしては余りに大きく逸脱している。
公園での実験の時もまだまだ余力を残していそうだったしやろうと思えば何でも出来そうだ。
そう。何でも――――。
(まさか……)
そこで蒼太は気づいてしまった。
ルルリエたちを造った『お父様』。
その彼が奇跡を起こす神はルルリエの心の中にいると言った。
それが指し示す世界を滅ぼした神の所在は――――。
「そういう世界にしてしまったからこそお父様とやらは罪悪感を感じ、お主に生き抜ける力を与えたのかもしれぬな」
「そ、そうだね。そう言うことかも」
センの言葉で蒼太は頭に浮かんできていたおかしな考えを振り払う。
「さ、これでルルちゃんの事は分かったしもう今日はもうご飯食べて寝よう」
「そうね。出掛けて疲れたしそうしましょ」
寝て忘れよう。
このあどけない少女が「お父様」の願いを聞き届けて世界を滅ぼしたかもしてないなんて馬鹿馬鹿しい考えは。
不穏な空気!
不運な豪鬼!
不発の好機!




