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ろりかむほーむ ~幼女がせめてきたぞっ!~  作者: 白井アレ
第一章 祝福された動人形(Living doll)
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果報は寝て待て

だらだらしてても許される。そう。幼女ならね。



 「で、何で私たちはマリ○カートをやっているのかしら?」


 センが来てから3日がたった水野家。

 そこには居間で据え置きゲーム機を囲む蒼太たちの姿があった。


 「ゲームで親睦を深めているんじゃあないか。あ、赤甲羅はやめて」

 「ふふふ……わしは神じゃぞ? 道はわしのもの! 控えおろう! よしっこれで一位じゃ!」

 「あ、青甲羅投げたのだわ」

 「なぬー!?」


 霧子を除く三人は盛り上がっていた。

 こんなことになっている理由は一言で片付く。

 やることがないのだ。

 蒼太はほぼほぼニート。

 ルルリエはもとの世界に帰ると言う目的はあるが絶望的なので半分諦めている。

 センは現代社会では必要とされない。

 そして間違いが起きないように監視役としている霧子。

 食料品を買い込み、用事もなく同じ屋根の下で四人の若い男女が集まったとなるとやることはひとつ。

 ゲームで対戦だ。


 「ぐぬぬ……見ておれ次のアイテムで……キノコ一個じゃとぉ!?」

 

 初めは操作方法もわからなかったルルリエとセンも今では手元も見ずにプレイできるレベルにまで達している。

 機械人形とか神とかそんな肩書きはもはやそこにはなく、ゲームに熱くなる彼らの姿は本物の兄妹のようであった。

 しかしその生活は傍から見れば完全に集団ニート生活だ。


 「決めた! 外出るわよ!」


 そんな彼らを見るに見かねた霧子は立ち上がった。


 「「「いってらー」」」


 しかし帰ってきたのは間延びした見送りの声。

 共に外に出る気など微塵も感じられない声であった。


 「ほらルルちゃんだけても行きましょ?」

 「えー……だるいのだわ」

 「何気ない町の景色にも感動していた純粋なルルちゃんは何処いったの!?」


 せめてルルリエだけでも連れ出そうとするが完全に蒼太に毒されていて駄目だ。

 子は親の背を見て育つと言うが見せてはいけない背中をさらし続けた。


 「……うおりゃぁ!」

 「「「ぎゃー!?」」」


 そこで霧子はゲーム機の電源を思い切り引き抜いた。

 突如暗転する画面に蒼太たち三人の悲鳴が重なる。


 「何をする!?」

 「考えても見なさいよ!? 機械の体の子に神様でしょ!? 少しは気にしなさいよ!」

 「いやだって黙ってれば普通の女の子だし……」

 「そ・れ・が! 異常なんでしょ!? そもそも女の子と縁もゆかりもないお兄ちゃんの家にどうして急に次々と女の子がやって来るのよ!?」

 「そう言われると確かに……」


 言われて改めて蒼太は自身の置かれた異常な状況に目をやる。

 これではハーレム物の主人公のようではないか。

 自分はそんな器ではない。


 「だから先ずはこうなった原因を追及するわよ。そうすればルルちゃんの件で解決の糸口もつかめるかもしれないし」

 「そう……だよね」


 センはともかくルルリエには明確な目的がある。

 いつかもとの世界に帰ってしまうのだ。

 そう思うと寂しさが込み上げてきた。


 「よしっ。じゃあ何からしようか!」


 しかし今の生活を続けて行くわけにはいかない。

 それはただ日々を怠惰で染め上げて誤魔化しているに過ぎないから。

 だからそうではないと証明するため空元気で行動に移す。

 しかし当のルルリエは乗り気ではなくソファに座ったまま蒼太を見上げる。


 「私も元の世界に帰りたいって思いはあるけれど、此処に来てから一つ素晴らしい言葉を学んだのだわ。果報は寝て待て。焦っても仕方無いのだわ」

 「ルルよ。お主良いことを言うな。状況と言うのは自ずと向こうからやって来るもの。行動に移すのは明確な道筋が示されてからで良い。400年生きてきたわしが言うのじゃから間違いない」

 「え? 400歳なの? じゃあセンさん?」

 「急に呼び方変えられるのも気持ちが悪い。今まで通りセンちゃんで良い」

 「わーい。ついでに尻尾もふらせて?」

 「仕方無いの。特別じゃぞ? ……さて、続きをーー」


 そう言ってセンは自慢の尻尾で蒼太をたらしこむとゲームの電源を修復しようとコンセントに手を伸ばす。


 「そこ! なーなーにしようとしない! それにそのことわざはやることをやってしまったら無駄に動かないって意味だからね!? サボる口実にしない!」

 「チッ……ばれたか」

 「もうらちがあかないわね……こうなったら……」

 「へっ?」


 言うだけじゃもう動かないと察した霧子は隣にいた蒼太の腕をがっしりとつかんだ。


 「お兄ちゃんを連れてけばみんなついてくるでしょ?」

 「なっ……!? 卑怯じゃぞ!」

 「そうなのだわ! それは反則なのだわ!」

 「なんとでも言いなさい。これが私の仕事なんだから!」

 「え? 力強っ!?」


 蒼太は霧子の力の前に為すすべなく引きずられ玄関へと連れて行かれる。


 「ま、待つのだわ!」

 「わかったわかった! 協力するから待つのじゃぁー!」


 そうなると彼をエネルギー源としている機械の体を持つ少女と観測者の近くにいなければ存在できない神様のけもみみ少女は荷物のように引きずられて行く宿主の後を必死に追いかけて行くしかなかった。




県でひとくくりにされがちだけど同じ県内でも地域によって結構違うよね。

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