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5. エピローグ2
かつてセトウチの海がまだ荒れ狂う無法の海だった頃。
一人の男が小さな船で漕ぎ出した。
男の名はムラカミ。
後にセトウチの海を統べることになる初代の海賊皇帝。
彼が荒波の果てにたどり着いた小さな島で出会ったのは三柱の女神だった。
そして彼は、そのうちの一柱――『時と空間を司る女神』に恋をした。
ムラカミは女神のために海を平定する。
海賊を束ね、セトウチに秩序をもたらし、そして女神のために神殿を建てた。海の上などという面倒臭いところに、女神が望むままに。
だが人は神と結ばれない。どれだけ全てを捧げようとも、その道理だけは変えられない。
それでも女神はけなげに神殿までも貢ぐムラカミに少しだけ心を動かされて、こう言ったのだ。
「お前とは結ばれぬ。だが褒美はくれてやろう。何か一つ、望みを叶えよう」
ムラカミは笑って答える。
「お前の隣にいられるなら、俺は他に欲しいものはない。でもそうだな、せっかくならば……」




