セトウチ転生録(ナオアイランド編)
セトウチと瀬戸内地方は名称も似通っている。
それだけでなく文化や歴史すらも類似した面があるのは偶然か?
セトウチ住人は今日も日本に転生して、瀬戸内へ流れ着く。
以下にその記録を残す。
9. ヒラメまるごと唐揚げ定食
日本での名称:ヒラメ唐揚げ定食(香川県 直島)
ナオアイランドの港の飯屋で働いていた男がヒラメと間違えてフグを食し、そのまま日本に転生した。
転生特典は「ヒラメの骨をずっとしゃぶりたくなるほど美味しくなる能力」という珍妙なものだった。
彼は現代日本の暮らしやすさに惚れ惚れしつつも、直島の港に転がり込んでヒラメを調理する日々を送っている。
港の前の定食屋で供される骨まで美味しいヒラメ料理は、直島の名物だ。
なお彼は未だにヒラメとフグの見分けがつかないが、定食屋ではヒラメしか仕入れないので間違ってフグを出す心配はない。
10. ママカリの酢漬け
日本での名称:ままかりの酢漬け(岡山県)
ナオアイランド近郊に住む漁師の男が素潜りしていたところ、やってきたママカリの群れがあまりにも綺麗すぎて海の中で数十分ほど見惚れた結果、日本に転生した。
転生特典は「ママカリがどこにいるのか分かる能力」。
転生した男は海に潜ってままかりを追いかけ、岡山県にたどり着いた。彼は岡山県で「ままかりの酢漬け」を広めて以来、岡山地方の名物となった。
甘酢の酸味とままかりの旨味が合わさって鼻を抜けていく。その味わいは上品で、一度食べるとやみつきになる。白米にもすごく合うために隣の家から白米を借りて食べる人間が続出した。
転生した男はままかりの酢漬けを広めたが、海に入るとままかりを長時間眺めてしまうため漁師としては使い物にならなかった。




